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FD研修

Davis Cancer Centerにおける研修報告

研修期間2014年2月10日~2月13日
報告者高知大学 都築 明(診療放射線技師/医学物理士)
研修目的アメリカにおける放射線治療物理の教育と検証システムの理解。
フロリダ大学におけるSBRT/IMRT、プロトン治療のQAと方法の理解。
日本における医学物理教育の討論。

2月10日(1日目)

フロリダ大学Davis Cancer Center見学
 東京の雪のため参加できませんでした。

2月11日(2日目)

フロリダ大学Davis Cancer Center見学
 東京の雪のため参加できませんでした

2月12日(3日目)

Sun Nuclear社見学

14:30~18:30 Sun Nuclear社

Sun Nuclear社と提携している会社は世界で7社あります。Sun Nuclear社には医学物理士を含む20人のカスタマーサポートチームがありました。また、TG-142、TG-016、TG-100を含むAAPM Task Groupのメンバーが15人いました。

Sun Nuclear社の仕事の30%は研究と開発に取り組んでいるようです。Sun Nuclear Training Centerにカスタマートレーニング用のVarian 21EX、研究/開発用のClinac 2100C、80 leaf MLC(X: 6,15, E:6, 9, 12, 15, 18)、測定器の製造テスト用のCobalt 60、2000Ciの3台がありました。

主に研究/開発、製造、放射線テスト、セールス/マーケティングを行っている会社です。

Sun Nuclear社の社内見学

リニアック室で3Dスキャナーの使用方法の説明を受けました。3Dスキャナーとは円柱型をした水ファントムのことです。3Dスキャナーに線量計を取り付け、水面の水平を手動で合わせた後に、ある程度にクロスヘアーの中心位置と3Dスキャナーの中心の位置を合わせて、あとはX線を連続で照射しながらビーム中心とクロスヘアーの中心を自動で合わせてくれるので、セットアップが20分以内でできます。従来の水ファントムでは長くて1時間はかかってしまうことなので作業の短縮が望めます。

また、3Dスキャナーの深さ40cm、直径は65cmで測定可能範囲は50cmなるそうです。線量計を取り付ける部分に付属品を取り付けると最大で65cmまで測定可能のようです。専用の水タンクもあり、これを3Dスキャナーに取り付けて水の出し入れを自由にすることで、TMRの測定が可能になるそうです。

製品工場の見学

ここでは、ウェル型電離箱、MapCheck、ArcCheck、3Dスキャナーの製造工程を見学しました。製造スタッフが測定器の基盤チェックから組み立てを丁寧に手作業で行っていました。また、製造した測定器はClinac 2100C装置でテストを行っていました。

Quality Report説明

Quality Reportは治療計画装置で作った照射PLANのDICOM RTデータを取り込み、PTVや各structureのDVHからそのPLANの評価をスコア化にして行うものです。また、下図のようにガントリー角度、DRR画像、ビーム、MLC、CT画像上に線量分布、DVHなどの確認も行えます。

さらに、下図がPTVやStructureのDVHからPLANの評価をスコア化したものです。このQuality Reportを使用すれば、Planの評価が簡単にできると思いました。

Plan Quality Score Sheet
Plan Quality Score Sheet
Plan Quality Algorithm
Plan Quality Algorithm
3Dスキャナー

Sun Nuclear Training Centerのカスタマートレーニング用のVarian 21EXを使用して3Dスキャナーのデモンストレーションを見学しました。この3Dスキャナーは従来の水ファントムと違い、水ファントムを動かさずにinline、crossline方向のOCR測定ができるところが利便性がよいと思いました。

3Dスキャナー

2月13日(4日目)フロリダ大学 Davis Cancer Center見学

10:00~13:00

コンツーリング室→プランニング室→治療計画用CT室→放射線治療操作室→放射線治療室 リニアック→工作室(低融点鉛を使用して)の順番に見学をしました。

プランニング室では治療計画装置Pinnacleを使用しており、Pinnacle 5台にスタッフが5名で治療計画を行っていました。治療用CT(Filipse)では赤外線カメラと1つの反射板を利用して撮影を行っているそうです。

Elekta社のリニアックを使用していました。ちょうど肺がん治療の様子を見学させてもらうことができました。ポジショニングはVac-Lokに反射板を1つだけ付け、赤外線カメラでアイソセンターまでの距離をモニター上に表示させていました。あとはその位置までカウチを移動させて、CBCT撮影を行い腫瘍部分に位置合わせをしていました。IGRTは骨、腫瘍や軟部組織など様々な部位に対して位置合わせを行っているそうです。また、治療中は扉を開けたままで行っていましたが、日本と違い迷路構造の距離がかなりあり、距離により散乱線を十分に低減しているようでした。

リニアック(Elekta社)
リニアック(Elekta社)
リニアック室入口
リニアック室入口
迷路通路
迷路通路
赤外線カメラ
赤外線カメラ
反射板
反射板
移動距離 表示モニター
移動距離 表示モニター

フロリダ大学にはPhDの臨床業務と研究開発を行っているスタッフの方が働いており、IMRTのQAを開発した計算ソフトのみで、実測は行っていないようです。このソフトは2Dマップでの評価になるそうです。現在は日本では必ず実測での評価を行っています。フロリダ大学でも過去にはIMRTのQAを実測も行っていたそうですが、計算ソフトのみで行うようにしたのは仕事の効率化を上げるためだと思いました。
 また、VMATなどに対応した3Dマップでの評価をしていく予定で研究を進めているようです。

まとめ

1.研修先において学んだこと

Sun Nuclear社において新しい水ファントムである3Dスキャナーの特徴、使用方法を学ぶことができました。また、Quality ReportというIMRT、VMATの検証用ソフトの特徴、使用方法も学ぶことができた。

フロリダ大学 Davis Cancer Centerでは、放射線治療部門における放射線治療の一連の流れを見学することができました。また、医学物理士の仕事内容の一部を学ぶことができた。

2.それをどのように教育に生かすか(いつまでに、どのような形で、どこまで)

2014年度内に高知大学医学部附属病院の放射線部でフロリダ大学における医学物理士の仕事内容のプレゼンを行い、理解を得ることができるように取り組んでいく。

3.それをどのように臨床に生かすか(いつまでに、どのような形で、どこまで)

フロリダ大学の医学物理士が研究・開発に取り組んでいるように高知大学の放射線治療でも研究・開発に取り組み、治療技術や精度管理の質を上げるとともに、効率化の向上を図りより良い放射線治療ができるよう臨床現場に反映をする。

4.それを実行するための方策

研修で学んできたことを放射線治療でプレゼンを行い、治療技術や精度管理の向上のための理解を得る。また、現在の業務上の問題点の改善、業務の簡略化に取り組むために、研究や開発に試みるとともに資料などを集めて放射線治療スタッフに情報提供をする。

文責 高知大学医学部附属病院 放射線部 都築 明

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